3月1日(月)卒業式・専攻科看護科修了式が執り行われました。今年度はコロナ感染予防のため第1部は普通科・商業科・衛生看護科の卒業式、第2部は衛生看護科・専攻科の修了式と2部構成としました。第1部では保護者の皆様は別室でモニターによる参加となりました。マスク着用など様々な制限や制約はありましたが、みんな笑顔で巣立ってくれました。心に残る素晴らしい式典となりました。
式辞の一部抜粋です。
【全日制卒業式】
卒業生の皆さん、卒業おめでとう。皆さんはこの3年間を通じ、勉強はもとより、学校行事や生徒会行事、そして部活動に仲間と協力し合い積極的に取り組み、沢山のことを経験し大きな成果を上げてくれました。高校生活、最後の一年間は試練続きの年でしたが、それも皆で見事に克服してくれました。予測困難なこの時代にあっても決して希望を失わず、現状を素直に受け入れ、見事に乗り越えてくれました。今を受け入れ、今を越えてくれました。その一つ一つの経験や成果が、これからの人生を歩む上で揺るがない基盤となっていきます。「稚内だから」なんて言わせない。ここ稚内でも色々なことにチャレンジし実現できましたか?校歌の冒頭「北斗の星の指すところ」夢の実現はどうでしたか?たくましく社会への第一歩を歩み出してください。今日の日を迎えたことを心からお祝いするとともに、私から、二つの思いを述べ餞といたします。
一つめは、「試練に立ち向かう勇気を持って欲しい」、と言うことです。
人生には試練はつきものです。その試練に「立ち向かう」か、それとも「退く」か。すべては自分次第です。「自分には無理だ」「自分にはできない」と言う心では、何も変わりません。勇気を奮い起こして、力強い一歩を踏み出す。その一歩が、勝利への道を開くでしょう。「さあ、来い」「望むところだ」と、何事も成長のチャンスととらえ、強い自分になってください。
二つ目は、「今いる場所で勝つ」と言うことです。
あの人がこうしてくれればとか、こういう条件だったらとか、何か他のものに責任を転嫁し、自分の不平不満の原因を他に求めるのは、実にむなしい生き方です。確かに現実は厳しいです。初めから思い通りにいかないことも多いでしょう。しかし、そのような状況でも目をそらさず自分の今いる場所にしっかりと立ち、懸命に努力を重ねることです。それが、人生の根を作ることになります。根が深くなければ、大木には育ちません。人は人の中で鍛えられ、磨かれていくものです。それが、自分のための、自分との戦いになります。
人生は、毎日が「新しい一日」であり、「かけがえのない一日」です。決して目先だけで判断したり、焦ってはいけません。どうか、大空を舞う鷲のように逆境を悠々と見下ろし、強い心、勇敢な心で、あらゆる難関を乗り越え、前へ進んでいってください。期待しています。
【衛生看護科・専攻科修了式】
23名の専攻科生の皆さん、修了おめでとうございます。皆さんは本校の校訓「誠実・勤勉・和協」のもと、「豊かな人間性を育み、看護に関する幅広い能力を備えた看護師として広く社会に貢献できる人物を育成する」という科の教育目標とした本校での五年間の学びを終え、今日の修了の日を迎えました。皆さんの五年間の努力に敬意を表します。
本校での学業の修了に当たり、私から、二つの思いを述べ餞といたします。
一つ目は、自らのキャリアプランを明確に持ち続けるということです。
現代の動きは極めて予想が難しく、変化のスピードも飛躍的に加速しています。医療現場においても、現在なお終息せず変異を続けているコロナウィルスへの対応、少子高齢化が人口減少と重なり合う2025年問題など、様々な問題が顕在化しています。そこで、肝心なのは、皆さんが職業経験を積む中で、志を見失うことなく、キャリアプランを明確に持ちながら、自らを成長させていくことです。職場では、更に学ぶべき知識や技能はまだまだあります。しかし、それで終わるのではなく、自分の初心、将来設計、これからの社会で果たしていきたい役割を明確に持ち続け、自己実現に向け自ら努力していくことが求められています。皆さんのキャリア実現を強く願っています。
二つ目は、看護師としての職務に真摯に取り組むということです。フロレンス・ナイチンゲールは「看護覚え書」の中で、「この世の中に看護ほど自分は決して感じたことのない他人の感情のただなかへ自己を投入する能力を、これほど必要とする仕事はほかに存在しない。」と述べています。また、「看護師は患者の顔に現れるあらゆる変化、姿勢や態度のあらゆる変化、声の変化すべてについて、その意味を理解すべきである。」とも述べています。つまり、看護の専門職として看護診断や技能について自信を持てるよう謙虚に研鑽を積むことが大切なのだと。
看護師は、人のために献身的に尽くす、尊い職です。先人たちが築いてきたものを、受け継げるよう、日々、真摯に勤めてください。
この後の人生、乗り越えなければならない場面が数多くあると思います。その時は母校である稚内高校で過ごした日々を思い返してください。この学び舎には、いたる所に皆さんの青春の熱い思いや決意、仲間との思い出など、原点に立ち戻れるものが沢山刻まれているはずです。
修了生の皆さん、自分の志を確かめ、社会を支え、よりよく変えていくという自覚を持ち続けながら人生を歩み続けてください。
卒業・修了おめでとう!